財務諸表論Ⅲ
連結会計等
講義時間:26時間
財務会計論Ⅲでは、連結会計、企業結合、及び事業分離について、計算を中心に学習します。
入門編では、連結会計の知識ゼロからスタートして、簿記検定2級の範囲相当を学習します。計算問題集Vol.2に入門編の総合問題が6問収録されていますが、少し難しい内容になっています。入門編では、この6問を自力で正答できるレベルを目指してください。
(入門編)
第1章 評価差額の処理
- 連結財務諸表作成のための準備
- 100%子会社の連結
- 100%子会社 + 土地の売買(ダウン・ストリーム)
第2章 非支配株主
- 概 要
- 80%子会社 + 土地の売買(アップ・ストリーム)+ 手形取引
第3章 成果連結
- 親子間の賃貸借取引
- 親子間の商品売買
- 子会社からの配当
上級編では、短答合格レベルを目指します。短答式試験では、連結会計の総合問題(@4点×6問)が必ず出題されます。本テキストは、直近10回分の総合問題をほぼ完答できるレベルに制作しています。ただ、完答できる必要はなく、合格ラインは6問中4問程度とされることが多いです。総合問題は、資本連結のタイム・テーブルが作成できて、要求される連結修正仕訳が行えれば、完答できます。追加取得、段階取得、一部売却、連結除外など、様々なパターンのタイム・テーブルが作成でき、連結修正仕訳もほぼ暗記している状態で本試験に臨むことができれば、合格ラインに到達できます。上級編の学習内容は、以下の通りです。
(上級編)
第1章 評価差額の処理
- 子会社の資産・負債の評価替え
- 償却資産の評価差額
- 評価差額を計上した資産の売却
第2章 子会社株式の追加取得
- 非支配株主との取引に対する2つの考え方
- 追加取得の連結修正仕訳
- 過年度に追加取得があった場合
第3章 子会社株式の一部売却
- 一部売却の連結修正仕訳
- 過年度に一部売却があった場合
第4章 成果連結
- 社債の発行と引受け
- 償却資産の売買
- 未達取引の処理
第5章 税効果会計
- 概 要
- 成果連結への税効果会計の適用
- 資本連結への税効果会計の適用
- 評価差額の実現に係る税効果会計の適用
- 子会社株式の一部売却に係る税効果会計の適用
第6章 有価証券評価差額金
- 概 要
- 有価証券評価差額金の基本的処理
- 有価証券評価差額金 ~ 子会社株式の一部売却
- 有価証券評価差額金 ~ その他有価証券の売却
- 有価証券評価差額金 ~ 税効果会計
第7章 取得関連費用
- 取得関連費用
- 条件付取得対価
第8章 持分法の適用
- 持分法の基礎
- 税効果会計 ~ 評価差額
- 株式の追加取得・一部売却
- 未実現利益
第9章 在外子会社
- 在外子会社の換算
- 在外子会社の連結 ~ 資本連結
- 追加取得と一部売却
- 在外子会社の連結 ~ 成果連結
第10章 資本連結 ~ 応用Ⅰ
- 持分法から連結への移行
- 段階取得による子会社化
- 段階取得による関連会社化
- 連結から持分法への移行
- 連結除外
第11章 資本連結 ~ 応用Ⅱ
- 子会社の増資
- 子会社の自己株式
- 間接所有
第12章 企業結合
- 入門の復習
- 吸収合併
- 逆取得による吸収合併
- 企業結合における資産・負債の評価
- 株式交換による子会社化
- 株式移転
- 共同支配企業
- 共同支配下の取引等
第13章 事業分離
- 60%子会社に事業移転するケース
- 関連会社に事業移転するケース
- 関連会社以外に事業移転するケース
- 60%子会社に事業移転するケース
- 事業移転により子会社化するケースⅠ
- 事業移転により子会社化するケースⅡ
- 事業移転により10%所有となるケース
本テキストの第12章で企業結合、第13章で事業分離の計算を、財務会計論Ⅳで理論を学習します。企業結合・事業分離については、理論と合わせて、2問~3問の出題を想定することになりますが、資料から何をピックアップするかを正確に判断できれば、短時間で解答できます。その判断ができるようになることを意識してテキストを制作しています。
連結会計等については、テキストが1,000ページ以上に及ぶ専門学校もありますが、FINのテキストは250ページ程度です。それでも、直近10年で出題された連結総合問題の論点をほぼ全てカバーできています。加えて、連結会計のタイムテーブルや企業結合・事業分離で使用する図はフルカラーなので、とても見やすいです。
学習しやすいように、可能な限り、1つの計算パターンを見開き2ページに収まるように制作しています。