管理会計論Ⅰ

講義時間:30.5時間

第1章 原価計算の基本概念から第10章 直接原価計算までを学習します。
短答式の過去問を数多く掲載し、計算パターンを解き明かします。
管理会計論Ⅰの範囲で高得点できるかが合否の鍵を握っているので、講義時間も長めになっています。
第1章では、「原価計算基準」の中でも出題頻度の高い1~8を取り扱います。「原価計算基準」からの出題は高い精度で合わしたいので、他の基準は、第2章以降の計算範囲に合わせながら、網羅的、かつ詳細に取り扱います。ここは、FINの教材でしか得られない様々なうんちくを交えながら学習します。
また、スマホで活用できる「原価計算基準 穴埋め問題」のPDFファイルもご提供しています。原価計算基準はこの「穴埋め問題集」が最も効率的な学習ツールになります。

第2章の費目別計算では、材料費、労務費、経費について学習します。あまり出題されない時期もありましたが、最近は、計算の1問目として出題されることも多くなっています。最初の計算問題で正答できれば波に乗れそうですが、費目別の過去問は、難問であったり、作問ミスがあったりして、受験生は苦しめられています。得点できれば、アドバンテージが得られるので、「基準」を中心に、応用的な処理方法まで時間をかけて解説しており、辞書的な役割をも果たすようなテキストになっています。ただ、細かなルールまで覚えるのは時間も労力も必要となるので、講義を一通り受講したら、第3章へ移行するのが賢明です。とりあえず、「テキストを見ながらであれば、過去問は解ける」という状態をキープするように心がけて下さい。

第3章~第7章までは、実際原価計算を前提とした部門別計算と製品別計算を学習します。この分野は、必ず2~4問は出題されます。ここで、どれだけ得点できるかが合否を大きく左右します。特に、製品別計算は計算慣行(=暗黙の前提)の影響を受けやすい分野ですが、本テキストで学習することで、作問者が要求する解答に辿り着くためのルートが見えるようになります。

第8章の標準原価計算は、 SCカードを利用した勘定記入、差異分析、差異の会計処理の3分野からよく出題されています。この3分野をさらに出題パターン別に整理して、解法や難易度を詳しく解説します。深みにはまりやすい標準原価計算も、スッキリと理解できるはずです。

第9章のCVP分析は、損益分岐点~目標資本利益率達成点売上高までの計算公式、それら計算公式を利用した多品種の場合の分析、全部実際と全部標準を前提にしたCVP分析などを学習します。頻出分野ということもあって、様々な計算パターンを紹介し、十分な対策を行います。なお、CVP分析は、感度分析の出題パターンが多く、いくつかの計算公式を覚えておいた方が絶対に有利です。うまくはまれば、短時間で正答できることもあるので、頑張って、計算公式を暗記しておきましょう。

第10章の直接原価計算では、損益計算書のフォームや固定費調整を学習します。固定費調整の過去問には、普通に解いたら「不正解に誘導されるような罠(ワナ)」が仕込まれている問題が幾つか含まれます。そういった問題を専門学校の答練等で解かされた受験生は、固定費調整に苦手意識を持ち、本試験で固定費調整の問題が出題されても手を付けないようになります。固定費調整の問題は、短時間で正解できるものも多いため、本テキストでは、その問題に「ワナ」が仕込まれているのかの見分け方と、「ワナ」の種類別対処法まで分かりやすく解説します。ただ、最近、固定費調整の難問は出題されなくなっているので、初学者は回避すべき論点になります。

個別問題集