商業簿記・会計学の学習方法
簿記検定1級
検定について
制限時間: 90分
出題数: 4問
配点: 50点
出題と配点の目安
商業簿記: 計算(総合問題) ・・・・・・・ 25点
会 計 学 : 理論 + 計算(個別問題) ・・・ 25点
商業簿記と会計学で、出題される分野に大きな違いはありません。
商業簿記は、1問の総合問題で出題されることが多いですが、2問に分けて出題されることもあります。1問で出題される場合は、決算整理前残高試算表に決算整理事項を加味して、財務諸表を作成する、というのが典型的な出題パターンです。2問で出題される場合は、1問は、連結会計等から出題されることが多いです。
会計学は、相互に関連性のない3~5つの個別論点が出題されます。理論は、穴埋め問題または正誤問題での出題がほとんどです。また、個別論点の計算問題は、基本的な会計処理を問う問題がほとんどですが、連結会計等の分野から難易度の高い問題が出題されることもあります。
学習方法について
商業簿記の総合問題
決算整理後残高試算表、貸借対照表、損益計算書の作成問題が中心です。総合問題といっても、個別論点の集合体なので、個々の論点をひとつひとつ理解しておく必要があります。
簿記の問題で出題される個別論点のほとんどは、会計学のテキストに収録されているため、まず、会計学から学習をスタートさせ、テキストに対応する論点を計算問題集Vol.1で確認する作業を繰り返して下さい。
個別論点がマスターできたら、連結会計や企業結合、事業分離に手を広げましょう。
日商1級では、連結会計等の問題が商業簿記で出題されることもあれば、会計学で出題されることもあります。いずれの場合でも、会計士短答式の連結総合問題と同程度の難易度、分量での出題となります。連結会計等のテキスト (簿記論Ⅰ)は、公認会計士講座と共通(表紙が異なるだけです。)なので、日商1級の連結会計に十分な内容ですし、連結会計知識ゼロからスタートできるように制作しているので、安心して取り組んでいただけます。
連結会計は、タイムテーブルを正確に作成することができ、かつ、連結修正仕訳をたくさん覚えている人が勝ちます。連結修正仕訳を書き出したノートを自分で作成しておくと良いでしょう。
連結会計等の総合問題対策としては、テキストと計算問題集Vol.2で十分で、この2つの教材をしっかりやっていても出来ない問題は、他の受験生も出来ないと考えて大丈夫です。
会計学、簿記論Ⅰのテキストに収録されていない分野が、簿記論Ⅱ (本支店等)に収録されています。本支店会計は、総合問題として出題されますが、現在の日商1級の商業簿記・会計学の出題傾向からすると、簿記論Ⅱの本支店会計以外の収録内容は、重要性が劣ります。ただし、キャッシュ・フロー会計の出題実績は少ないですが、会計士試験では頻出分野なので、今後は日商1級でも出題が増える可能性があります。計算問題集Vol.3とともに、出題可能性に応じた時間配分を心掛けて、学習して下さい。
会計学の理論問題
穴埋め問題や正誤問題という出題形式から考えて、特別な対策は必要ないでしょう。個別論点の計算問題対策の一環として、テキスト章頭の会計基準に目を通し穴埋め対策を、章末の正誤問題で会計処理(計算)の確認がてら正誤問題対策を行えば良いでしょう。
会計学の計算問題(個別論点)
出題分野としては、資産除去債務・減損会計・リース取引・減損会計・退職給付会計といった、いわゆる新基準が多く出題されます。
会計学のテキストで基本的な知識・会計処理を、計算問題集Vol.1は、できるだけ網羅的に会計処理のバラエティを確認して頂きます。
計算問題集は本試験問題とよく似た形式ですから、計算問題集を繰り返し解くことで、実践的な対策になると思います。
最後に、商業簿記・会計学の総合問題集で仕上げて下さい。この総合問題集には、
12回分の本試験問題が収録されており、解説講義も行っています。
何回か受験経験のある場合は、90分で70%以上得点できるか、自信の実力を試すのが良いでしょう。それ以外の方は、時間は気にせず、テキスト等を参考にしながら、じっくりと一巡させてから、二巡目に時間内に何点得点できるかを試すようにすれば、ストレスなく消化できると思います。
この問題集と答練(5回)を合わせると、本試験17回分の商業簿記・会計学を解くことになります。連続して繰り返し解くようにすれば、90分問題を解くための体力をつけることができます。ここまでやれば、胸を張って、「本試験を受けるための準備がしっかりと出来た。」といえるでしょう。