入門Ⅱ
商業簿記2級+α
講義時間:16時間
日商簿記2級+αの内容をテンポ良く学習していきます。
2級の段階で、最も力を入れて欲しいのが第4章の 「本支店会計」です。特に、日商1級、税理士を目指す受験生は、「本支店会計」を意識するようにして下さい。
第Ⅰ部
第1章 有価証券
第2章 有形固定資産
第3章 個別論点
第4章 本支店会計
第5章 商品売買
補講
第6章 税効果会計
第7章 引当金
第8章 外貨建取引の換算
第Ⅱ部
第1章 連結会計一巡
第2章 非支配株主
第3章 成果連結
入門Ⅰ(3級)では、日々の取引から財務諸表作成までの 「簿記一巡」を学習しました。2級、1級へとコマを進めても、この 「簿記一巡」の枠内から外れることはありません。ただ、企業規模が大きくなるので、取引量が増えるとともに、取引の内容が複雑化していきます。また、企業規模の拡大に伴い、支店や子会社をもつようになり、企業形態が変化します。このような企業形態の変化をどのよう会計に反映するのか、といった新しいテーマについても学習します。
日々の取引の複雑化 ~ 新しい仕訳の学習
有価証券の購入や売却は、全経では3級で学習しますが、日商では、2級の学習範囲とされています。また、期末に保有している有価証券の評価についても学習します。さらに、有形固定資産の割賦購入やリース取引、圧縮記帳等といった、かつては日商1級の学習範囲とされていた論点も取り扱うことになります。3級よりも覚える仕訳の種類は増えますが、3級の延長線上なので、時間をかければ、マスターできる内容です。
本支店会計について
商売が軌道に乗ると経営者は、事業規模を拡大を図ります。
その手法には、「支店形態」と「子会社形態」とがありますが、まず、支店形態で事業規模を拡大していく場合に採用される「本支店会計」を学習します。
本支店会計では、一巡の会計処理手続きの全体像を理解し、イメージできることが大切ですが、とりわけ、本店と支店のそれぞれの利益を、どのタイミングでどのようにして把握するのか、そして、どのような仕訳を行うのかが重要になります。内部利益の処理等は1級の範囲となるので、2級では、
本支店会計一巡を丁寧に学習するように心掛けて下さい。
連結会計について
「支店形態」ではなく、「子会社形態」で事業規模を拡大していく場合には、連結会計を適用します。
100%子会社の場合の連結会計は、本支店会計に近いものになりますが、例えば、80%子会社の場合は、20%保有の株主(非支配株主)が存在することになり、会計処理が複雑化します。また、親子会社間で取引がある場合には、連結会計上、その取引や内部利益を相殺消去する必要があります。
難しい分野ですが、日商1級試験や会計士試験では避けることのできない最重要分野となりますので、入門期にしっかりと基礎を固めて下さい。
税金について
入門Ⅱ(2級)では、法人税と消費税の計算の仕組みも学習します。法人税の計算の仕組みが分からないと、税効果会計も理解できません。ただ、法人税や消費税の本格的な計算は、日商1級や会計士の短答式試験対策でも試験の範囲外となっており、本格的に学習するのは、会計士の論文式対策や、税理士の税法ということになります。従って、入門期は、税額計算の基本構造や仕訳を行うタイミングを理解しておけば十分です。