工業簿記・原価計算Ⅰ
講義時間:30.5時間
総論、費目別計算から直接原価計算までを学習します。
工業簿記・原価計算Ⅰの範囲は、1つ間違えると連鎖的に大きく失点しまいがちなので、時間をかけて、しっかりと学習しておきましょう。会計士の短答式過去問を数多く掲載し、計算パターンを解き明かしていきます。
日商1級では、「原価計算基準」の穴埋め問題が出題されることがあります。第1章では、「原価計算基準」の中でも重要度の高い1~8を取り扱います。
他の基準は、第2章以降の計算範囲に合わせるながら、基準1~47までを網羅的、かつ詳細に取り扱います。
スマホで活用できる「原価計算基準 穴埋め問題」のPDFファイルもご提供しています。原価計算基準はこの穴埋め問題集が最も効率的な学習ツールになります。
第2章の費目別計算は、第147回、第149回、第150回、第152回、第153回、第156回で問われ、思いの外、出題頻度が高いです。費目別計算ができないと、大きな失点となってしまうことが多いので、時間をかけて講義を行っています。基準11の計算を中心に、辞書的な役割をも果たすようなテキストになっています。おそらく、どの専門学校のテキストよりも詳しいです。
第3章~第7章までは、実際原価計算を前提とした部門別計算・ABC・製品別計算を学習します。これらの分野も、頻出分野です。このうち、製品別計算は計算慣行の影響を受けやすい分野ですが、本テキストで学習することで、作問者が要求する解答に辿り着くためのルートが見えるようになります。
第8章の標準原価計算は、 SCカードを利用した勘定記入、差異分析、差異の会計処理の3分野からよく出題されています。この3分野をさらに出題パターン別に整理して、解法や難易度を詳しく解説します。深みにはまりやすい標準原価計算も、スッキリと理解できるはずです。工業簿記・原価計算は常に、満点狙いです。
第9章のCVP分析は、損益分岐点~目標資本利益率達成点売上高までの4つの計算公式、それら公式を利用した多品種の場合の解法、全部実際と全部標準を前提にしたCVP分析などを紹介します。日商1級対策としては、十分すぎる準備をします。
最後に、直接原価計算を学習します。直接原価計算は、制度としての財務諸表では用いられませんが、利益管理や意思決定などの目的に有用な方法なので、日商1級の本試験でも、よく出題されます。直接原価計算自体は、全部原価計算よりもシンプルで、分かり易い仕組みですが、固定費調整という特徴的な論点は、計算公式に当てはめても正解できない場合があるため、受験生の多くが苦手意識を持ちます。ただ、固定費調整の問題は、短時間で正解できるものも多いため、本テキストでは、その問題に作問者が「落とし穴」を用意しているのかを見分ける方法と、「落とし穴」の種類別対処法まで分かりやすく解説します。