財務会計論の学習方法

論文式試験対策

論文式本試験について

制限時間: 3時間
出題数: 3問
配点: 200点

出題と配点の目安

第3問: 個別論点中心の計算問題と関連する理論の小問で60点
第4問: 理論問題で70点(計算が絡む場合もあり)
第5問: 連結会計の総合問題と理論で70点

会計学(午後)は、財務会計論から第3問~第5問の出題であり、理論問題(記述式)と計算問題が出題されます。第3問は個別論点中心の計算問題と関連する理論の小問が1問の組合せで2組出題されます。
第4問は多少計算が絡むこともありますが、ほぼ理論問題です。第5問は多くの場合、連結会計の総合問題と関連する理論問題2~3問という構成です。連結の計算は、短答式では、連結財務諸表項目のうち8項目をピンポイントで問うてきますが、論文式では、40項目ほど問われます。連結の理論は、5行~10行程度の小問で、計算知識で解答できる問題も多いです。
計算も理論も難易度のバラツキがあり、時間的制約も厳しいので、比較的容易な計算や典型論点の理論を取りこぼさずに得点していく要領も求められます。

学習方法について

計算問題

計算問題は短答式試験よりも幅広い論点から出題されるので、短答対策よりは応用的な計算問題に手を広げる必要はありますが、基本的処理で失敗することの方が致命的ですから、ます基礎を確実にしてから応用に進むようにしてください。短答式試験と異なり選択肢は与えられませんから、計算ミスに気づきにくい側面がある点も注意が必要です。また、第3問では一つの経済事象について条件を少しずつ変えた様々な会計処理を要求する問題が出題されることがあり、取引条件や状況と選択的な計算処理が正確に結びついていないと迷いが生じて時間をロスすることにつながります。
短答式試験に合格しているからには、十分な計算力があるはずですから、会計処理の選択に関する曖昧さを排除する方針を持って学習されると良いと思います。第5問の連結会計は、受験生が太刀打ちできないほど難易度が高い問題が出題されることがあるので、完答は意識せず、安全に、短答式試験対策で培った知識で得点できそうな問題を上手に拾っていくことが肝要です。短答式試験合格時の計算力を維持できるように、計算問題集Vol.2を繰り返し解いた上で、論文対策の総合問題集に収録されている問題にも手を広げ、連結会計の総合問題を解くための体力を養って下さい。

理論問題

記述式の理論問題の出題は、会計基準の結論の背景を根拠としていることが多いようです。ただし、結論の背景では「これこれの経緯があり、この会計処理を採用しました」というような説明になっているので、本試験の問題の答案としてそのまま記述できるとは限りません。対立点や論旨を理解した上で、キーワードやキーフレーズを覚えて、答案を組み立てられるように準備できれば理想的です。